第1章 新メンバー
え……メンバーって……StarPieceの?僕が?
「無理無理無理!何言ってるんですか?!僕そんなの無理ですよ!オーディションも受けてないし!そもそも社長さん僕がどんな人か知らないですよね!?」
「オーディション受けてないんですか?!社長何考えて!」
「うーん……勘?(笑)」
「あー……あのー瑞希くん?」
「は、はい!」
リーダーの真広くん。
近くで見ると一段とかっこよく見える。
「無理しなくていいよ?社長の考えだから断っても大丈夫だから。」
「はい………」
やばいよ……声が震える……
だってあの超有名人だよ!?
「無理って言ってるんだから無理だよ。その子には。」
口を開いたのは裕斗くん。
何か冷たい。
「第1にそんな餓鬼に出来るわけない。簡単な気持ちでアイドルやってもらっても困る。なんで社長、帰ってもらってください。」
裕斗くんってイメージしてたより凄く冷たかった。
しかも何か僕の事敵視してる感じ。
今の言葉……凄く心に刺さった……
裕斗くんはこっちを全く見らずに帰っていこうとドアノブに手をかける。
「待ってください!」
「?」
「確かに僕自身、新メンバーに入るなんて思ってませんでした。バイトの面接が一番の目的だったんで。僕には無理だと思います。けど!あなたには言われたくない!軽い気持ち?軽い気持ちでアイドルなんてする訳ないじゃないですか?!……やります!僕アイドルやります!」
「「「まじ!?」」」
「……勝手にしろ。どうせ1年もせずにやっぱ無理でしたって辞めてくに決まってる。」
「……そんな事ありません!やってみせます!」
「あ、そう。」
裕斗くんは部屋を出ていった。