第5章 好きなんだ
瑞希side
今回のレコーディングは僕がメンバーに入ったため、今までの曲全ての録りなおしという事だった。
上手く行けば1週間で終わらせれるらしいんだけど、歌番組の生放送も控えてるからたぶん無理だと思うんだよね。
でもやらないと!
1発で終わらせれば大丈夫!
「遅くなりましたー!」
僕は学校から直接事務所に向かい、レコーディング部屋へ入った。
「おー!瑞希!お疲れ!」
「圭君!お疲れ様です!」
「瑞希、すぐ録れる?」
「一応、青山さんの車の中で発声練習と今日予定の曲は聴いてきたので大丈夫です!」
「流石だな。じゃあ、早速やってみようか。」
あ……裕斗君と目が合った。
うわー……気まずいな……
やりずらい……
「じゃあデビュー曲から順に行こうか。……瑞希?大丈夫か?おーい。」
「は、はい!大丈夫です!」
集中!集中!集中!
裕斗君の顔見なきゃいいんだ!
そうしよう!
「よし!今日はここまででーす!お疲れ様でしたー!」
スタッフの方が挨拶をする。
「お疲れ様でした!」
良かった!
今日の曲は1発OKだった!
裕斗君とも目が合いそうだったけど、何とか反らせた!
スタジオを出ようとしたら誰かに手を引かれた。
「瑞希、話がある。来い。」
「えっ!?!?////」
裕斗君だった。