第3章 素直な気持ち
「ねぇ……大輝はさ、好きな人とかいる?」
「ぶっ!!?ゲホッ!な!?////」
大輝が口に含んでいたお茶を吹き出した。
顔にかかっちゃったよ……
「もうっ!なに?!」
「ご、ごめん!はい、タオル。」
「今日はツイてない……」
僕は大輝が貸してくれたタオルで顔を拭いた。
何で驚くの……高校生では普通の質問しただけなのに。
「……何で急に?////」
「いやー、好きってどんな感じなのかなって思っただけ。大輝なら分かるかなって。」
「好きな人……いるよ////」
「嘘!?ほんとに!?誰!?あ!隣のクラスの……なんだっけ……あ、及川さんとか?」
「ち、ちげぇよ!!……俺は……小さい頃から好きな人変わってねぇし……////」
へぇ……じゃあ、僕知ってるかも……
誰なのかな……
「大輝って一途なんだぁ。大輝と付き合う人ってきっと幸せになるだろうね(笑)」
「……////」
あれ、顔真っ赤。
そっぽ向いちゃったし……
「好きってどんな感じなの?」
「……一緒にいるだけでドキドキしたり、他の奴と話してたらイライラしたり……もっと知りたいって俺は思うけど////」
好きってそんな感じなんだ……
じゃあ、僕の裕斗君に対するこの気持ちは恋じゃないのかも……
「俺が恋だって気づいたのは、他の奴とは違う感情だってわかった時だよ。確かに他にも可愛いとか思ったりする子もいたけど、やっぱり他とは違った。よくわからねぇけど、それが恋なんじゃねぇの?」
他とは違う……
圭くん、真広くん、隼也くんの顔が思い浮かぶ。
確かにカッコイイ……でも……
やっぱ裕斗君とは違う気がする。
「……ありがと!大輝!勉強になったよ!」
「……おう。仕事頑張れよ。」
「うん!」
僕は大輝と挨拶を交わし教室を出た。
「……早く気づけよ、鈍感。」ボソ
大輝が何か言った気がしたけど、僕にはハッキリとは聞こえなかった。