第3章 素直な気持ち
急いで更衣室に向かう途中、裕斗君と会った。
あ、お礼言っとかないと。
「裕斗君!」
「?瑞希か……」
あれ、何か手に持ってる……写真?
その写真って……さっきの!?
「何でその写真持ってるんですか?!////」
「スタッフさんがくれた。見てみますかって。だから貰った。」
「恥ずかしいんで、その写真返してくださいよ!////」
取りあげようと手を伸ばすけど、裕斗君の方が身長高くて上の方に写真を持っていかれる。
「ちょっと!返してっ!////」
「恥ずかしい?よく撮れてるじゃねぇか。」
え……誉められた?
いや、まさか裕斗君が……
「お疲れ。良かったぞ。」
そう言って裕斗君が笑顔を零した。
笑ってる……
ライブとかで見る笑顔とは違う……作り笑いじゃない様に感じる。
その顔に心拍数が上がる。
心臓の音が……大きい……
「裕斗、もう来てたのか?」
真広君の声……
その後にまだ眠そうな圭君としっかりキメてきてる隼也君が歩いて来た。
はっ!僕見とれてた……
違う違う!
あまりにも綺麗で貴重な笑顔だったから!
「すみません、僕先に行ってますね////」
「あぁ、うん。じゃあ、後で……?」
「……瑞希、熱でもあるんじゃね?顔今までにないくらい真っ赤だったし。」
そんな圭くんの言葉が微かに聞こえていた。
僕、顔に出すぎ……
早歩きでメンバーから離れていった。