第12章 パズルピース
瑞希side
朝から圭くんに見られるなんて・・・
見せもんじゃないのに・・・
「おはよ。」
「あ、おはよう、裕斗君。」
「腰大丈夫か?」
「うん。平気。」
僕達は軽く準備を済ませ、青山さんの車に乗り込む。
この車に乗る事も次はいつか分からないんだ。
目的地に着くと、まだ開場まで10時間近くあるのに、既にお客さんが来ていた。
「俺たちが来るのを待ち伏せしてたんだろうな。」
「せっかくだからさ、手振ろうよ。」
「そうだな。こんなに早くから来てくれて。」
4人は窓を開けてファンの子に手を振っていた。
けど、僕はできなかった。
僕が原因だから申し訳ない気持ちがいっぱいで黙って座っていた。
「瑞希。お前のファンの子がいる。顔だけでも出せ。」
裕斗君が背中を押してくれた。
「瑞希くーん!頑張ってねー!」
「う、うん!ありがとー!」
そう言って手を振った。
そうだ・・・僕達が楽しまないと満足してもらえない。
しっかりしないと!
それに、今日のライブは生中継もされる。
集中!集中!