第12章 パズルピース
裕斗side
「付き合ってるって……」
圭が混乱している。
そうだよな。
男同士で、それにメンバー内でカップルがいるなんて思いもしないよな。
「ごめ…っ!?」
謝ろうとした時、今まで黙っていた隼也が立ち上がり俺の胸ぐらを掴んで殴った。
左の頬がジンジンと痛む。
「ふざけんな!付き合ってる?!」
「…あぁ。」
「別に男同士だからとかとはどうでもいい。けどな、瑞希はまだ高校生だぞ。お前は大人だ。犯罪なんだよ!それに、俺らはアイドルで同じグループだ。何考えてんだよ!!」
隼也は怒っていながら、涙をボロボロと流していた。
昔から、こいつは怒ると1番怖い。
「お前のせいで瑞希は…翔太みたいに…もう誰もあんな思い…したくないのに。…お前もそうだろ。」
「そうだよ。」
「じゃあなんで!」
「好きだから。あいつの事、誰にも渡したくないから。」
「っ!」
再び殴られようとした。
けど、真広が隼也を止めた。
「隼也、もうやめろ。暴力はダメだ。」
隼也は俺から手を離した。
圭はずっと下を向いたまま動かない。
「裕斗、俺もこういうことは言いたくないが…別れろ。お前らの関係性は良くない。応援したい気持ちは山々だができない。」
「……。」
何も言えなかった。
嫌だという気持ちと、やっぱりなっという気持ちが重なっていた。
「いいな?」
でも、そうするのが1番いいのかもしれない。
「わかった…」