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星のカケラ【R18】

第12章 パズルピース


裕斗side

アンコールラストの曲の時、瑞希の身体が一瞬よろけた。
俺はたまたま隣で歌っていたため、体を支える事が出来た。

「おい、瑞希。」

「ご、ごめん…ありがとう。」

マイクを塞ぎ、聞こえないくらいの声で瑞希に話しかけた。
曲も終盤になっていた。

「じゃあ、皆!またねー!」

圭が大きく手を振ってステージ裏に入って行く。
その後を真広、隼也の順で入り、最後に2人で帰っていった。

真広達はお互いにスタッフと挨拶を交わしていた。
俺たちも行こうと瑞希の方を振り向いた。

「瑞希…?」

壁にもたれかかりながら、息を切らしていた。

「ごめ…裕斗く…」

そのまま倒れてしまった。

「…え…?」

脳が追いつかず、何が起きたのか理解できなかった。

その場にいた全員は瑞希に気づき、真広が1番に駆け寄った。

「瑞希!?大丈夫か?!おい!!隼也、救急車呼んでくれ!」

「わかった!」

「圭はタオルと飲み物!できれば氷が欲しい!」

「う、うん!」

真広の指示で2人が動く。
俺は?
何をすれば?
瑞希に近づこうとしても足が動かない。
翔太がそこにいるみたいで…

「おい!裕斗!何突っ立ってんだ!!早くマネージャーと入江さんに連絡しろ!」

「おぉ……」

それでも足が動かない。

「裕斗……お前……いや、俺と変われ。」

「わかった。」

「……後で聞きたい事がある。」

真広のその目は怒りと焦りが混じった光を感じた。
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