第9章 僕の好きな人は……
瑞希side
あれから何度も尚哉君に会う機会があったのに返事をする事が出来なかった。
裕斗君にもなかなか会えなくて、やり直そうとは言えなかった。
今日で撮影最終日。
今日伝えないと……いつになるか……
僕は既に3年生になっていた。
大輝に相談したら、「自分の事は自分しか分からないからお前が決めろ。」と言われた。
確かにそうだ。
尚哉君の事は好きだけど、裕斗君の好きとは違う。
「お疲れ様でしたー!これで撮影は以上でーす!」
終わった……
僕達出演者は一列に並び花束を貰った。
僕は尚哉君の隣に並んだ。
これで撮影は終了。
ちょっと疲れたな……
「瑞希君。」
尚哉君に呼ばれてドキッとした。
言わなくちゃ……言わなくちゃ……!
「この後空いてる?出演者で打ち上げ行こうってなったんだけど……皆、瑞希君にも来て欲しいだって。」
「この後ですか?」
時間を見ると、夜の9時。
高校生の僕は帰らないと行けない時間なんだけど……
断るわけにはいかない。
「是非行かせてください。」