第8章 恋人らしい事
「ごちそうさまでした。」
青山さんが迎えに来るまで1時間あるな。
シャワー浴びて準備をしないと。
食器を下げて、部屋に向かう。
下着と着替えを持って浴室に行こうとキッチンを通り過ぎる途中で裕斗君に捕まった。
「どうしたの?」
後ろから抱きしめられる。
「また、お前と時間が作れなくなるなって思って。今のうちに充電。」
「一緒に住んでるから心配ないよ。」
「2人っきりがいい。」
「仕方ないよ。それよりもう離れてくれないと、間に合わなくなっちゃう!」
裕斗君を突き放し浴室に向かう。
確かに会えなくなっちゃうな……
寂しいけど、我慢我慢!
コンサートに向けて色々と準備しなきゃだし!!
映画の撮影もあるから台本読みしないと!
「じゃあ、僕行ってくるね。裕斗君は今日何時になるの?」
「帰って来ないよ。九州の方にロケ行ってくる。それから泊まりでそのままドラマ撮影とCM撮影。」
「そっか……」
やっぱお互い忙しいとなかなか会えないよね。
僕が寂しいなと俯いていると、
「これ。1日遅れだけど。」
渡されたのはチョコ。
「いいの?!」
「いいよ。バレンタインだし。」
「ありがとう!!寂しくなったらこれ食べる!!」
「どうせすぐ無くなるだろ?」
「ちゃんと大事に食べますぅ!」
「お前食いしん坊だからな。無理だろ。」
「な!?……もういい!行ってきます!!////」
「行ってらっしゃい。」
裕斗君って最近僕をいじるようになって来た気がする。
カップル同士だと普通なのかも……
僕は車の中でチョコをひと口摘む。
よし!今日も頑張ろう!!