第7章 諦め切れない
瑞希side
特別な関係……
それはアイドルをしている僕達にとっては凄く危険で、無責任な事……
でも……僕にはもうこの人しか愛せない。
近くにいたい。
もっと触れ合っていたい。
……助けてあげたい。
時々苦しそうな思いつめた顔を見る。
そんな顔見たくない。
僕が裕斗君を救ってあげたい。
力になれないかもしれないけど、特別な関係なら言い合えるかもしれない。
好きだから……近くで支えてあげたいんだ。
分かってる……駄目なのは分かってる。
けどもう抑えられないんだ。
僕裕斗君が好き。
大好きなんだ。
裕斗君は僕を抱きしめ返す。
その手は暖かくて、優しい。
「……俺もお前が好きだ。諦めるなんてできなかった。……瑞希……俺と付き合ってくれ。」
一瞬、その言葉は聞き間違いかと思った。
きっと断られる、怒られるって思ってた。
ふざけるなって。
けど違う……
『付き合ってくれ』
その言葉が凄く嬉しかった。
「はい!////」
良かった……これで僕達は恋人同士なんだ。
僕は嬉しい感情が抑えきれなくなって、思わず背伸びしてキスをしようとした。
裕斗君も同じ思いだったようで僕の方に顔を近づける。
このキスは初めてお互いの想いが通じた感じがして凄く胸が熱くなった。
「瑞希……この事は誰にも言うな。特に真広には。」
「分かってます////」
バレたらかなり面倒なことになりそうだし。
「それから……2人のときは敬語やめてくれ。」
「……うん……わかった////」
僕達はもう1度約束という意味を込めてキスをした。