第6章 ※焦らす唇(微裏)
不意打ちのキス
「んっ、」
そっと唇を離すとローはを見下ろす
「物足りねェって顔だな。」
そう言うとさっき付けた鎖骨の赤い印をなぞった
(…どうしよう。身体がアツい…)
ローの視線が、触れられた場所が、全て熱を帯びる
の瞳は潤み頬を染めて困ったようにローを見上げた
「おい…煽ってんのか。」
その口調とは裏腹な優しい手付きでそっと頬を撫でる
「…ちがっ、ぅ…んんっ…、」
の言葉をもう一度唇で塞いだ
今度はさっきよりも深く、より濃厚なキス
乱れる呼吸で空いた隙間をローは見逃さない
そのまま舌を押し込みの舌と絡め合う
部屋には二人の舌が絡み合う音が響いた
「あっ…ん、はぁ、はぁ…ぁん、」
辛うじて残る理性では抵抗するようにローの舌から逃げようと舌を押し返すようにしたり口を閉じようとする、が
ローはそんなの手を握り指を絡ませ
”逃がさない”まるでそう言っているかのように深いキスをやめない
次第にローのキスに理性を奪われ始めた
今まで味わった事のない濃厚で頭が真っ白になるような感覚
「…はぁっん、…ンあッ、はぁ、ハァ…」
「、明日の朝迎えに来る
それまでに必要なものがあればまとめとけ」
やっと解放されたかと思えば
まだローからのキスに思考回路がうまく回らない
この人はいったい何を言っているのだろう
ぼんやりとローを見上げながらそう思った
「どこに…行くんですか?」
わけがわからないはローに言う
迎え?必要なもの?
「お前を俺の船に乗せる
異論は認めねェ。
わかったな。」
その言葉にフワフワした頭がすっと冴える
この人は馬鹿なのか?
「ちょっと待って下さい!
そんな勝手な…」
「お前に興味が湧いたと言っただろ
久々におもしれェもんを見つけたのに手放すと思うか?
安心しろ、後悔はさせねェ…」
なんとも言えない腹黒い笑み
恐ろしいほど強引で、それでいて垣間見る小さな優しさ
この不思議な男を前に
は何も言い返せず暫く考えたが
ただ黙って頷くしかなかった