第3章 第2話
ー目覚めは、とても心地の良いものだった
お日さまの香りに包まれて寝ていたからか、とても良い夢を見た気がする。
彼の顔を見ると、とても可愛らしい寝顔だった。
(可愛い)
すりすりと彼の胸板に擦り寄ると、小さく声をあげた
(…あ、起きた?)
暫くぼーっと私を見つめていた。
(ど、どうしたんだろ)
次の瞬間、いきなり目を大きくさせて私を強く抱き締める。
「!?……??」
そして、少し震えた声で、愛情深く
「よく、がんばったね」
「………」
何故かはわからないけど、その一言で、
私は、私の人生を、愛おしく思えた。
そして、また先程の夢のように、何かが込み上げてきた
きらきらとした、何か。
優しい光を放つ、何か。
色付いた、愛のある何か。
「……すき」
溢れ出た、涙と………"コトノハ"