第6章 陽だまりの差す場所
『C36L-2
P128R12』
C36L-2
この暗号はあの本の棚。
そこまで行って、本を手に取る。
パラパラとページを捲って。
P128R12
128ページ右から12行目。
「陽だまりの指すあの場所で」
主人公が犯人を呼ぶ為に言った
彼と彼女の思い出の場所を指す言葉。
俺と彼女に置き換えれば、
それはあの場所しかない。
パタン、と小さく音を立てて閉じられたその本を胸に抱いて、『陽だまりの指すあの場所へ』
1歩、そこへ足を踏み入れると
暖房なんかじゃない冬の寒さの中にある自然な温もり。
その中で君は微睡んでいて。
菅「、おはよう」
小さく名前を呼んで彼女の髪を撫でる。
この綺麗なままの景色を壊したくはなかったけど、
何だか今声をかけなきゃ駄目な気がしたんだ。
それくらい、絵になっていた。