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ハイキュー!! 秋祭りバトン!

第6章 陽だまりの差す場所




澤「スガー、帰るぞー」

声をかけられて、顔を上げると大地がいた。
隣には旭もいて、隣のクラスもどうやらHRが終わったらしい。


菅「あー、ゴメン!俺寄るとこあるから今日もパスで!」

澤「あぁ、別にいいけど。
最近よくどこか行ってるみたいだけど、どうしたんだ?」

菅「あー……図書館行ってるんだよね。
家だと落ち着かなくて」

ちょっとだけ言うのを躊躇したのは
ちょっとだけ知られたくないと思ってしまったからだろうか。

澤「そうか。でも頑張りすぎんなよ。
学校でも本ばっか読んでるみたいだしな」

東「薄いけど隈出来てないか?
無理し過ぎはあんまり良くないと思うぞ?」

菅「2人とも心配しすぎ!大丈夫だよこれ、面白いし。
むしろ少し焦んなきゃだしな」

もう3年の夏だ。
就職組は早いやつはもう10月から面接があったりする。

その前に成績を少しでもあげておかないと
やはり不安なのだ。

いそいそと荷物を詰め込み、
読みかけのページに栞を挟む。

「んじゃな!
順位負けたらジュース1本ずつだからな!」

2人にに別れを告げ、俺は図書館まで少し駆け足で向かった。



澤「もう3年だし、焦るのもわかるけどな。
なんかちょっと変じゃないか?」

東「ここん所毎日図書館通ってるって事?
まぁ、考査期間だからってのもあるかもしれないけど」


澤「本の読むも凄いんだあいつ。
だからなんか変だな、って思っててさ」

東「もしかして、恋とか…?
図書館で同じ本取ろうとした女の子好きになっちゃった、みたいな?」

いいなぁ、と呟いてる旭に少しだけ呆れ気味に、

澤「そんなのは現実じゃありえないだろ。
それにスガそういうの興味あるのかがまず分からないからなぁ」

東「夢がないなぁ、大地は。
ちょっと夢見たっていいだろー?」

自分に置き換えて考えてみても、
よく分からない。

東「あ!」

急に大きい声を出すものだから、
廊下に残っていた数人から視線を浴びる。

東「ごめん大地!俺教室に筆箱置いてきたかも!
先行っててくれ!」

急いで来た道をまた戻っていく後ろ姿を見送る。

東峰の事は下駄箱で待っていよう、
と思い足を止めずに歩き続ける。


……恋、か。

モヤモヤと心の隅に蹲るその単語を
仕方がなく放置したまま別のことを考える。



これの答えが見つかるのはまたいつか。
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