第6章 陽だまりの差す場所
あれから何日か経って久しぶりに図書館へ足を運ぶとまたなにか落書きがあった。
『C36L-2』
何かの暗号だろうか。
文字の感じは前の落書きの主と同じ文字にも見える。
この人は推理物の小説を聞いてきたから推理ものが好き?
教えた本の棚はCの36番…?
確認するために、その本棚まで行くとCの36番だ。
Lってなんだろう…。
本を探してみると、左から2番目の場所に置いてあった。
Left の 2 番目ってことか、と納得しクスリと笑ってしまった。
その本を取り、中を開いてみると
小さな紙が挟まれていた。
折りたたまれたそれを開くと、
あの綺麗な文字で、時間と日にちが書かれていた。
その下にはまた文字が続いていて
『教えてくれた本、面白かったです。
良ければ、お話しませんか?』
この人がどんな人だとか、年齢とか全部頭から追い出して
この人がこの本について話をしようとしている。
それだけで私は嬉しくて、もちろんです。と返事をした。
紙だけ引き抜いて、本は元の位置へ。
机にまた小さく落書きをし、その日に胸をふくらませて
今日は図書館を出た。