第5章 スポーツの秋?それとも恋の秋?!
ー 今年のアンカーは見物ですねぇ!走者の中にバレー部が二人も!!ひとりは我らが青ブロックの伊達男、2年の二口堅治!3年と1年に負けるなよぉ!!! ー
二「なんつー紹介の仕方だってぇの!」
そう言いながらも二口さんは、ブロック席に向かって両手を上げてアピールしている。
ー はっはっはっ!!赤ブロックのアンカーも忘れないで貰いたい!!我らがバレー部、大型セッター黄金川!!おい!コガネ!!チャラ男の二口になんか負けんじゃないぞ!! ー
「も、茂庭さんっ?!」
二「茂庭さん・・・見かけないと思ったらマイク握り締めて実況放送とか・・・そしてオレはスゲェ言われようだな」
苦笑する二口さんを見て、オレも釣られて笑う。
「チャラ男の二口さんに、は・・・渡せねぇッス!」
二「コガネ・・・そのセリフ、後悔すんじゃねぇぞ」
「本気で行くだけッス!!」
二「・・・言ってろ」
後悔なんかしねぇ。
だからオレは、本気の全力で走るたけだ。
ー それではブロック対抗リレー!スタート走者はコースに入って下さい!!・・・審判団も用意はオッケーですか?! ー
実況放送の声に、各コースに配置された審判達が白旗を上げて行く。
ー オッケーですね?!・・・スターターはバレー部監督、電動ドライバーが誰より似合う、強面お父さん追分先生です!宜しくお願いします!! ー
二「プッ・・・強面お父さんって・・・ククッ・・・茂庭さん言いたい放題だな」
・・・強面は、確かに。
追「茂庭・・・後で取っ捕まえて頭打ち抜いてやる・・・」
こっ、怖ぇッス!!
追「お前ら!覚悟はいいか?!位置について!!用意・・・」
パァーン!!!!
ー 各コースの選手スタートしました!颯爽と駆け抜ける早足自慢の走者達!第一コーナーを抜けましたァ!直線コースに一番に入ったのは・・・緑ブロック!続いて赤ブロックか! ー
二「おいおい、うちのブロック3番手かよ」
オレ達アンカーは、走者の順に位置を入れ替わっていくシステムだ。
リレーの走者がバトンを受け渡していく度に、アンカーもそれに備えて場所を確認する。
今のところ、赤ブロックは2位につけたままだ。
このまま2位で抜けてくれていれば・・・
ー 赤ブロックバトンミスっ!順位入れ替わりだ! ー