第5章 スポーツの秋？それとも恋の秋？！

ー 各ブロック全員揃いましたね？それではスタート走者から順番に並んで待機して下さい。アンカーの人は今から配るタスキを掛けてから腰を降ろして下さい ー

二「しっかしまぁ、またもお前と一緒に走るとか？」

「お互い様ッス」

二「ブロック対抗リレーともなれば、だいたいアンカーは運動部のヤツらだよなぁ･･･コガネ見てみろよ？オレら以外のヤツら」

･･･確かに、サッカー部や野球部、そんなヤツらばっかりがアンカーの列に待機してる。

しかも、オレと二口さん以外は全員３年じゃねぇか！

負けらんねぇ･･･３年にも、何より二口さんにも！

二「黙ってんのはフェアじゃねぇと思うから言う･･･さっき、呼び出した」

知ってるッス･･･

二「･･･アラ？気にならねぇの？」

「別に･･･」

それは、ウソだ。

ホントはメチャクチャ気になる！

二「ふ～ん？あっそう？･･･じゃ体育祭が終わったら、はオレが頂くとしよう」

「なっ？！」

二「あれぇ？なに焦ってんの？気にならねぇんじゃなかったん？」

ニヤニヤしながら二口さんに言われ、思わず顔をそらす。

二「カワイイしなぁ～。彼女にしたら最高だろうなぁ～。う～ん、楽しみ楽しみ･･･」

･･･クソっ！

絶対負けねぇ！

だってオレは･･･オレはと約束したんだ！

ー それではリレーの皆さん、移動します！委員の後についてきてください！ ー

入場の音楽が鳴り始め、スタート走者から順にトラックを周りながら配置場所へと移動する。

それはアンカーのオレらも同じで、トラックを駆けながらブロック席を見ると、応援団員のが両手を振っていた。

『黄金川君！頑張ってね！！』

･･･？

あぁ･･･負けねぇよ。

ニカッと笑って見せて、ブロック席に･･･に･･･大きく腕を振り上げた。

ー さぁ～！皆さんお待ちかねのブロック対抗リレーです！各ブロックの走者を読み上げます！１コース、黄色ブロック１年･･･ ー

体育祭の花形種目とあってか、コースとブロック、それから代表選手の名前が読み上げられる。

ほとんどの1年と２年がスタート走者や中堅走者である中で、アンカーの１年と２年はオレと二口さんだけ。

二人共バレー部だって事で、更に盛り上がる。