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ハイキュー!! 秋祭りバトン!

第4章 カーテンコールのその先は





体育館が暗くなり、ステージに明かりがついた。
演劇部の部員たちが入れ替わり立ち替わり出てきてセリフを言う。
正直内容がよくわからなくて、寝そうだった。
きっとクロもそう思ってる。
隣で大きなあくびしてたから。

幕が開いてから約15分。
が舞台に出てきた。
煌びやかな衣装を身に纏ったその姿は、妖艶で魅惑的だった。
そして、思い出した。
昨日見た夢のこと。

夢の中の彼女も同じ格好していた。
生唾を飲み込んだ。
心臓が大きく鼓動する。

「実の兄だろうと関係ないわ。私はお兄様を愛しています!」

震える声で彼女は叫ぶ。
実の兄に恋をした妹。
禁断の愛。
それを文化祭でやるのもすごいと思ったけど、でもみんな魅了されているのがわかる。
それと同時に俺の胸も締め付ける。

「私を引き裂いて私の魂をみてください。そこに私の本当があります!」

泣き出したくなった。
たとえセリフだとしても、には言って欲しくなかった。
俺の気持ち。
俺の本音。
全て俺が抱いている思い。

幕が閉じて体育館に通常の明かりが照らし出す。
拍手喝采だった。
泣いている人もいた。
それほどまでにこの劇は衝撃が大きすぎたのだ。

見終わったあと、クロと一緒に食堂でご飯を食べる。
感想を言い合い、と言ってもほとんどクロが喋ってるだけ。
俺は時折相打ちをうちながらその話を聞いていた。
その時、彼女が来た。
舞台メイク、だったっけ。
それを落として通常のメイク。
真っ赤な唇は弧を描いて。
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