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ハイキュー!! 秋祭りバトン!

第4章 カーテンコールのその先は





教室に向かおうと歩を進めた時、また名前を呼ばれた。
俺に届くように大きな声で。

「けんまー!!何か悩み事あったら言いなよ!!幼馴染なんだから隠し事、なしだかんねー!!!」

大きく手を振って、そして今度こそ俺の前から姿を消した。

だからでしょ。
幼馴染だから隠すんでしょ。
クロの彼女だから隠すんでしょ。
じゃなきゃとっくの前に好きだと伝えている。

強く拳を握りしめた。








その日の夜、夢を見た。
舞台の上。
煌びやかな衣装を身に纏ったが何かを叫んでいる。
なんて言っているのか、わからない。
音のない声。
なのにどうしてだろう。
胸が痛い。

舞台装置の一つである真っ赤なカーテンへ走り出す。
そして、それに身体を包みこんだ。
真っ赤な唇に真っ赤なカーテンは、妖艶で魅惑的で俺の欲望を掻き立てる。

夢だからだろうか。
俺が客席から立ち上がり舞台上に上がっても誰も何も言わない。
ただ、固唾を呑んでその様子を伺っている。

舞台に上った俺は、真っ直ぐに彼女が隠れているカーテンへ歩いていく。
隙間から覗く瞳は俺を映している。
両の手で真っ赤なカーテンを左右に開いた。

驚いた顔で俺を見上げる彼女。
少しだけ開いた口からのぞく真っ赤な舌。

その夜、俺は夢の中で
あの子にキスをした。


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