第3章 流麗な夢をキミと
月「山口、遅い」
山「やっぱりちょっと不機嫌かも・・・ツッキーいま行く!菅原さん、オレ片付けやって来ます」
よろしくな、という言葉の代わりにひとつ頷いてみせた。
山「ツッキー!オレ何すればいい?!」
月「山口、うるさい」
山「ごめんツッキー!ね、コレ一緒に運ぼう!」
・・・安定の2人だな。
あとは、ちゃんか・・・
『スガさん・・・私ちょっと思ったんですけど』
膝を抱えたまま、ちゃんかポツポツと話し出す。
『今日、もし私や他の人が休憩時間取れて執事カフェのお客さんになってたら、投票数は変わってたかな?とか』
「う~ん、どうだろうね?でも、オレは今日の結果に不満はないよ?みんなで1から、いや、むしろ0から頑張ったんだからさ」
執事たるもの云々ってやつをちゃんが出来る範囲で教えてくれた。
立ち振る舞いや、紙カップではあったけれど、それでも、カップの置き方とか向きとか。
『私も・・・体験してみたかったなぁ』
「え?」
『なぁんて、思ってるから2位だったのかもです』
ニコリと力なく笑ったかと思えば、両手で自分の頬をパシンと叩く。
『ひとり反省会は終わり!私も片付けします!スガさん、すみませんでした!』
「え、あ、あぁ・・・元気になったなら、構わないよ」
呆気に取られながら、オレも笑って片付けに向かう。
体験してみたかった、か・・・
オレも、ちゃんのメイド接待を受けてみたかったよ。
・・・接待?
なんか言い回しがエロサラリーマンみたいだな。
自分自身に乾いた笑いを漏らしながら、大地に相談すべき事が出来たことで、気持ちを引き締め大地に歩み寄った。