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ハイキュー!! 秋祭りバトン!

第1章 明日も笑おう






次の日。
帰り道にそこの家の前を通った。
聴こえるピアノの音色に耳を澄ませる。

気分が高鳴るような快活なメロディー。
まるで空を飛んでいるような。
気持ちがウキウキしてくる。

これ、確か何かのアニメで流れていたような……。

「ラピュタ、か」

天空の城ラピュタで主人公の男の子がトランペットで吹いていた曲だ。
曲名知らないけれど、この曲は小さい頃見た時、好きだと思ったのを覚えている。
トランペットと違ってピアノだと優しい音色になるんだ。

目をつぶって音を聞いていた。
すると、

「あの……」

声を掛けられて、目を開くとそこには女性がいた。
長い黒髪は軽くウェーブがかかっていて、すらりと長い手足。

「え、あ……」
「私に何か用?」

そう言われて気が付いた。
俺はその人の家の前でずっと音楽を聴いていたようで、出掛けようと外へ出た彼女がずっと目を瞑っている俺が気になって声をかけた、らしい。

「すいません……。俺、変質者ですね」
「あははっ。自分のこと変質者っていう人初めてみたよ。よかったら中に入って。お茶、淹れてあげる」
「え?」
「私のピアノに惹かれたんでしょ?」

目を細めて笑う彼女に俺は何も言えなくなった。
美しい。
そう思った。
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