第19章 アヒルさんボートも意外と酔う
ー次の日ー
理奈「乗り物しんどぉい。」
士門「・・・ああ。」
ぐったりする理奈の隣で士門もぐったりしている。
朝から飛行機での長距離移動。終わったと思えば今は港に来ていた。
清弦「おい。お前ら~。だらしねぇぞぉ~。」
グッと二人の襟首を持ち上げ上体を起こす。
有馬「それにしても勘九郎遅いねぇ。」
船はもう着いていた。
理奈「はい!質問!有馬先生」
有馬「何だね?理奈君」
理奈「し『却下!!』」
言う前に有馬が食いぎみで言い放つ。
理奈「まだ何も言ってない」
有馬「どうせ召喚獣で行きたとでも言うんだろう?誰かも似たような事を言ってたからそれくらい分かるよ。」
有馬がちらりと士門を見る。
気まずそうに士門が視線を外した。
??「和気藹々と楽しそうスね。」
後ろから聞こえた声に振り向く。
理奈「勘九郎!」
久しぶりの声に嬉しそうに駆け寄ると勘九郎が理奈を抱き締める。
勘九郎「良い子してたっスか?」
理奈「勿論。」
照れながらも答える。
有馬「あーあー。あんな懐いちゃって。・・・僕達の出る幕ないねぇ。」
少し遠くで見守る。
天馬「俺らの苦労って何よ?」
有馬「まぁ、彼に独り占めはさせないつもりだけどね♪」
新「女心と秋の空。昔からよく言うからね。」
憲剛「俺もまだ任務達成してねぇな。」
有馬「これは島に行っても当番制になりそうだねぇ。」
士門「傘下には出来ないんでしょうか。」
有馬「ん~。異動も考えなきゃいけないしね。何より彼女の中の守護霊が見えないんだよねぇ。何か彼女の中に確実に居るんだけどねぇ。」
ペロリと自分の唇を舐め、勘九郎の中で嬉しそうに微笑む理奈を見た。
有馬「さぁ。二人とも行っくよ~♪」
清弦は士門を引きずり、勘九郎はじたばた動く理奈を押さえつけて舟に乗り込む。
島まであと少しー