第27章 討伐・ミッション・婆娑羅ストライク
が
衝撃がこない。
理奈(・・・?)
ゆっくり目を開くとそこには
婆娑羅の背中から腹に貫通した爪龍が見えた。
その先を目で追えば
霞天龍驤之自在ー
理奈「勘・・九郎。」
怒りに震える勘九郎の姿があった。
そのまま婆娑羅を持ち上げ岩壁へと叩き付け、理奈の元へと駆け寄る。
勘九郎「理奈。無事で良かった・・。こんな傷だらけで。」
悲しそうな表情で理奈を抱き締める。
理奈「勘九郎ありがとう。マジ助かったよ~。」
ギュッと抱き締め返す。
勘九郎「なんでこんな無謀な任務・・・。」
スッと立ち上がると婆娑羅を睨む。
勘九郎「まだ終わってないっスよ。」
理奈を庇うようにして立つと構える。
理奈「勘九郎。少しで良い。引き付けて。勝算がある。」
勘九郎「理奈!あとは僕がっ!」
理奈「やるなら最後まで!・・お願い。」
勘九郎「・・途中で殺っちゃうかもしれないっスよ?」
そう言い理奈から遠ざかりながらも婆娑羅と距離を詰めていく。
理奈「頼んだ。勘九郎。・・くっそ~!どこだぁ?」
硝子玉に煙と光っている文字が小さく浮かんでいるだけ。煙の色は確かに攻撃・召喚獣・回復・補助で違うがそこからまた捜すのが面倒くさい。
理奈「今度油性ペンで書いてやろうか!?」
顔に怒りマークが出来ている。
理奈「あった!」
見つけた頃には勘九郎も押され始めていた。
婆娑羅はそれだけ強いのだと実感する。
理奈「あと1発。これが効かなきゃ後がない。」
付けたばかりのマテリアを見て呟く。
婆娑羅と勘九郎に走って詰め寄る。
理奈「召喚!リヴァイアサン!!」
言うと同時に勘九郎に抱き付く。
勘九郎「理奈!?」
理奈「息止めて!」
すると地面から水が吹き出し竜巻状に渦を巻き始める。
その渦に理奈と勘九郎も巻き込まれるが婆娑羅は真ん中の水のない場所に取り残されている。
婆娑羅「はははっ!バカじゃない?こんなの自爆じゃない!」
愉しそうに高笑いをするが、背後に巨大な目が見ていることに気付いていない様だ。
龍の体は次第に上へと登っていき、理奈と勘九郎もそれに掴まる。
リヴァイアサンは水から顔を出すと中心に居た婆娑羅を背後からじっと見ている。