第6章 # FFC0CB
「和也くんと相葉ちゃん、飲めんのかなぁ〜」
いつもりより格段にワクワクしながら
慎吾が酒のアテの準備をしてる
「飲めなかったら無理に飲ませるなよ?」
「分かってるって」
酒が好き、というよりも
コイツは酒の席が好きなんだと思う
「智さ、さっきのヤキモチだろ」
「は?」
「苦虫噛んだみたいな顔してた。
仮にも兄貴である自分の前で二人が風呂に入りに行くのがビミョーだった?
娘を取られた父親みたいな、」
「別に、」
別にそんなんじゃない
思わず反応してしまったのは、
“俺らも一緒に入る!”
オマエがそんな事言ったからだ、バカ
「ホントは寂しいくせに〜」
「からかうなよ」
寂しいとかじゃない
多少の戸惑いはあるけど
それでも
相葉くんだったらいいかな、って
カズを任せられる、って
そう思ったんだ
カズのあの自然な笑顔を引き出せるのは相葉くんだからだ
彼の柔らかい雰囲気が真綿の様にカズを優しく包んでるような
だから俺は相葉くんに感謝してる
男同士だし決して平坦な道ではないかもしれないけど
幸せになって欲しいと思う
心からそう思うから。