第6章 # FFC0CB
「相葉ちゃーん! ちょっとコレ味見てー?」
「はーい! 今行きます!」
「どう?」
「塩気が少し足りないかな?」
「俺もそう思ってたとこ!」
だったら最初から塩入れたらいいのに。なんて事は言わない
そんな事言うなら食わせないぞって言われるから
「まーくんと慎吾さん、仲イイね」
「何だ、妬いてんのか?」
「そんなんじゃないって…!」
真っ赤になって否定してるけど。
キッチンに立つ二人をさっきからソワソワしながら見てるじゃん
「カズ、」
「うん?」
「暇だから仕事場、見てみるか?」
「…いいの?」
「あぁ」
夕飯が出来るまでな、とカズを工房に連れ出した
「凄い。これ全部塗料?」
「そうだよ」
「いっぱいだぁ」
棚にズラリと並ぶブリキ缶を眺める
「あの色もあるんでしょ?」
「あるよ。コレがそう」
# 3104 を棚から出してシートの上に置き、蓋を取ってやるとカズが目を輝かせた
「…キレイ。 兄さんの青だ。
# 3104… サトシ、って事?」
「そう。 で、こっちが桜のボードのバックカラーの # 4n5」
「シンゴ、」
「うん」
「両方ともキレイな色だね
桜のサーフィンボード、潤くんも翔くんも絶対喜ぶよ」
「だといいけど、」
…ん?
カズの奴、今、翔“くん”って言った?