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# 3104【気象系】

第5章 # 000000








「………そうだったか?」

「そうだよ。ボロボロ泣いてたじゃん」

「あー、もう、煩い! そんな昔の事忘れた!」


昔の事。
そう、もう昔の事なんだ


「人間なんて生きてりゃ色んな事あんだよ!
でも今笑えてんなら結果オーライだっつーの!」





呆れるくらいのポジティブ
それもいいのかもしれない





「そう言えばじぃちゃんも言ってました
人生を100としたら
シクシク泣いて4×9=36
ハハッと笑って8×8=64
泣くより笑顔の方がちょっとだけ多い、って
だから人生は捨てたもんじゃない、って」

「だろぉ〜?」

「はいっ!」


慎吾と相葉くんがやけに意気投合してて
そんな二人を僕ら兄弟はポカンと口を開けて見ていて、


「ほら! 智も笑え!」

「カズくんも!」


…この二人って、なんか似てる
兄弟だから、親友も似たようなタイプを選ぶんだろうか


「ふふっ」

「…カズ?」

「まーくんと町田さん、なんか似てるね」


全く同じ事をカズも思っていて。


「そうかぁ?」
「そうかな?」


重なる二人の声もやっぱり同じだった





おかしいかな
こんな事で、って思われるかもしれないけどさ
二人がそう言ってくれた事で
カズが笑ってくれた事で

“もう背負った十字架を降ろしてもいいんだよ”って
全てを赦された気がしたんだ
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