第3章 # 800080
「なるほどね。こういうことだったんだ」
洗い物をしている後ろで、慎吾がソファーに寝そべりながらデザイン画をまじまじと見ていた
「どうかな?」
「イイよ、凄くイイ」
紫にも色々あるんだな、なんて感心してる。
「凄いよ、智は」
「なんだよ急に」
やっぱ才能なんだよなぁ、なんてボソッと呟くから気恥ずかしい
「洗い物、もう終わるから
先にそれ添付して達也さんにメール送っておいて?」
「了解っ」
写真を撮る時は色味がイメージと違った、なんて言われないように光の加減に気を付けないとならない
まぁ慎吾に任せておけばその辺りは間違いはないけど。
「いい返事が来るといいな」
「うん」
自分達が気に入った物をお客さんが気に入るとは限らない
東京のお客さんなら郵送だろうし…実物を見てもらうまで気が気じゃないのは確かだ
「おっ。達兄からだ」
メールの返事かと思ったら、達也さんからの電話で
一気に緊張が走る
「もしもし、達兄?」
『おー、慎吾! 直ぐに返事が来てさ、めちゃめちゃ気に入ってくれたよ
プレゼントらしいんだけど、イメージ通りだって。
それでそのお客さんなんだけど、実は…』