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# 3104【気象系】

第2章 # 00008B








「一段落着いた事だし出掛けるか」

「出掛けるって何処に?」

「塗料買わなきゃだし、達兄のとこにも顔出したいしさ」


達兄こと達也さんは、慎吾の従兄弟で。
うちの工房のボードを置いてくれてるだけじゃなく、お客さんの仲介までしてくれてる

頼れる兄貴のようで、それでいて少年のような無邪気な人。

海とサーフィンを心から愛してる人。


「じゃあココ片付けとくから慎吾は着替えてきなよ」

「おぉ、助かる!」


スキップしそうな勢いで階段を駆けて行く背中を見つめながら、慎吾が見事に散らかした仕事道具を丁寧に片付けた










「智ってさ、色彩認識能力が極端に高いんだろうな」


青色ばかりを何箱も箱買いしながら慎吾が言う


「なんで?」

「サトシブルーの配合が完璧だからだよ
俺じゃ絶対真似出来ないもん」

「だから、サトシブルーって言うなって」


確かにあの色は僕にしか作り出せない自信がある
他人が見ても気付かない程の色の違いに絶対のこだわりがあった


「俺、あの色凄ぇ好き」


真っ直ぐな慎吾の言葉がストレートに響く


「それはそれは」


照れ隠しにペコリとお辞儀をしてみせたけど
好きなものを好きとハッキリ言える慎吾のその素直さが
僕も大好きだよ
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