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# 3104【気象系】

第2章 # 00008B


やっとの思いで絞り出した声は
今にも消え入りそうな程小さく、掠れていて


いつだって
どうしたいのかじゃなく
どうするべきかを考えていた
だから
言葉にするのは凄く怖かった


無意識に握りしめた慎吾のジャージの裾
それを僕のSOSだと気付いてくれたんだね


『わかった』


震える右手をふわりと握り返して
慎吾が小さく頷いた


『13歳の反逆』

『え…?』

『なんか、響きカッコよくね?』

『…イイ。』

『だろ?
…やるぞ、三年後に。それまでの辛抱な』





手渡してきた紙切れには携帯番号が書かれていた
何かあったら連絡しろよ、なんて
同級生のクセに兄貴みたいで嬉しかった


ずっと親の敷いたレールの上を走り続けてきた
どこへ向かわされるのかもわからずに
だけどこの日、手に入れたんだ
自由という名の片道切符を

そっとポケットに忍ばせると
もう随分前に終わったはずの夢がまた
僕の胸の中で騒ぎ始めた
自分らしく生きたいと
心が叫びたがっていたんだ
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