第2章 # 00008B
小学2年の夏に慎吾と出会い
それからたった半年で、僕は絵画教室を辞めさせられてしまった
個人レッスンの先生の指導は好きになれなかった
果物とか花とか
特に、好きでもない人物の絵を書くのは本当につまらなかった
小学校時代はそれなりに賞は取ったけど
ワクワクもドキドキも、楽しいも嬉しいも無く
只ひたすらキャンバスに向かって絵を描き続けた
そんな中、中学に上がってすぐに行われた林間学校で僕は
運命の再会を果たしたんだ
林間学校一日目。
それぞれのルートでの登山学習を終えた三つの中学校の生徒が、青年の家で合同レクを行なうことになった
そこで見付けた…ポンパドール。
面影はあるような、ないような
だけど臙脂色のジャージには“町田”って大きな字で書いてあったんだ
だから、
『慎吾…?』
半信半疑で声を掛けた
『あ。智!』
慎吾は僕を覚えてくれていた
『智だろ!? チョー久しぶり!
ってか、よく分かったな!』
心の友よ!とか言いながら抱きつくから、周りの生徒はドン引きで
あの頃より随分と背が伸びて大人っぽくなってた
だけど笑顔は変わらなくて
ジャイアンも悪くないな…なんて思う自分自身に擽ったさを覚えたんだ