愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】
第3章 兎死狗烹
呆然とする僕の胸元に、不意に男の手が伸びてきて、胸の先の小さな実が捏ねられる。
「ああっ‥やめて‥‥」
与えられる刺激が甘い痺れとなって、熱の冷め切らない全身を一気に駆け巡り、呼吸さえままならず開いたままの口元から、堪えようのない声が溢れる。
「くくく、堪らないな。‥その身体でどやって男を受け入れてるんだい?見せてくれるんだろう‥?」
羞恥心さえ奪われた僕の、最後に残ったちっぽけな自尊心までもを打ち砕くような無情な言葉が降り注ぐ。
いいさ‥
見せてやるさ‥‥
ここまで来たら、もう後戻りなんて出来ない。
僕のこの身体にお前を溺れさせてやるよ‥‥
僕は一瞬瞼を閉じると、気怠さの残る身体を起こし、恥じらう素振りを装いながら下衣を膝まで下すと、白い布の上に片手を着いた。
そして僕の手を汚した液体を後孔に塗り込めると、ゆっくりとその奥へと指を突き入れた。
「‥っ‥ううっ‥っああ‥っ‥」
それまでとは違う、違和感のような物を感じながらも、受け入れることを知っている身体は、容易に僕の指を飲み込み・・
戸惑いがちに動かす指は、淫靡な音を鳴らしながら、自然とあの場所を探るように動く。
「ん・・んっ・・はぁっ・・ぁ・・」
身体の奥が次第に蕩けて行くのを指の先で感じながら、無心で中を掻き混ぜると、僕の意志に逆らうかのように腰が揺れ、そして・・
「あっ・・、いやっ・・、あっ・・、あ、あ、あん・・」
指の先がそこを掠めた瞬間、布に着いていた手は折れ、顔を布に擦り付けるようにして、僕は腰を突き出し、そして嬲るように僕を視姦し続ける男に、強請るように視線を向けた。
「欲しい・・、貴方が・・欲しい・・」
お前の全てが・・・・
「ほう・・、俺が欲しいと・・?ならば応えてやりたい所だが・・、さっきも言ったろう?俺にはその趣味はない、とな?俺が欲しければ、俺をその気にさせてみろ、ともな・・?」
嘲るような口調に、僕は息をするのもやっとの唇を噛み締め、力の入らない腕を頼りに身体を起こすと、目の前に立つ男の下衣にその手をかけた。