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愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】

第3章 兎死狗烹



熱で潤んだ瞳を煽るように額に口づけてやると、その瞳を大きく揺らす。


そしてまだ男になりきれてない細い指先で我が身を晒してゆく姿は、幼気なものを甚振っているような妖しげな魅力を持っていた。



湧き上がる欲望のままに肌を弄り、快楽を求める指先が白い肌を飾る果実を摘んで‥

「あっ‥、あぁぁっ‥‥」

淫らに嬌声をあげ、身体を震わせる。


自分と同じ男のものとは思えない‥甘い声。


女しか抱いたことはなかったが、服を乱しながら膨らみのないそこを弄り、身悶えてゆく幼さの残る身体がたまらなく淫靡なものにみえた。

自己顕示の塊のような女のものとは違う‥羞恥に震える華奢な身体。



‥‥見せてみろ‥。



「‥はぁっ‥ああ‥‥っ‥」

熱を帯びていく身体を慰めようと、下衣の膨らみに手を伸ばした彼は、甘い声を抑えきれなくなっていく。


「そんなもので俺が満足するとでも‥?」

彼に被虐を与え、快楽を煽ってやる。


「ああ‥許して‥‥」


抗えない快楽のうねりの中で、許しを乞う唇は妖しく艶めいていて

「俺が欲しいんだろう‥?」

俺が視姦することを止めるつもりの無い冷たい言葉だけくれてやると、彼は絶望したような表情(かお)をする。


でも熱に狂わされ、どうしようもない熱の昂りを鎮めたい彼は、下衣の釦に手をかけ少しずらすと、己が欲望の塊を俺の前に晒した。

そしてぬるりと先を濡らした昂りをゆっくりと握りこむと、静かに目を閉じて快楽を追いはじめる。


羞恥に耐えながらも、それすら快楽を深めるものにしてしまう‥。


「‥あっ‥はぁっ‥あ‥‥っ‥」


白い身体を仰け反らせながら、淫らに動く指先にあわせて物欲しそうに揺れる腰。


まるで白昼夢のような光景。


チチッと小鳥が鳴き羽ばたいてゆく音ぐらいしかしない静寂な木立の中で、いつの間にか俺は、快楽に濡れる甘い吐息を洩らす大野智から‥目を離すことができなくなっていた。





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