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愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】

第3章 兎死狗烹


潤side


これが何かとも分からずに口にするとは‥‥

いくら大人びたことをしてみせても、俺からみれば‥まだまだ幼い。

赤子の手を捻るようなものだ。



蕩けるような甘さを舌で転がしながら、その逃れられない火照りを生む赤く魅惑的な液体を、幼子のような仕草で口にするのを眺めていると、これから目の前で晒される淫靡な光景に、胸が震えるような歓びがこみ上げてくる。



初めてその身体を染める味は最高だろう‥。

さあ‥どんな面白いものを見せてくれるのか。

愉しませてもらおうじゃないか‥。



白く柔らかな頬をほんのりと色づかせ、熱を帯びた瞳で息を乱しはじめた大野智が、淫らな欲望に支配されていく様は、俺の奥底に潜む妖しげな情欲に火を灯した。


「‥はぁっ‥これは一体‥‥」

湧き上がる情欲を抑え込もうと胸を抑えて、自分を狂わせはじめたものの正体を知ろうとする。


「言わなかったか?‥葡萄で作った飲み物だ、と‥」



知ったところで‥もう遅いんだがね‥。



初めてこれを口にする君にとっては、媚薬にも匹敵するものだろう。

俺が素知らぬ顔で触れただけで痺れを感じ、甘い快感を欲しがる我が身を抱きしめる姿は、益々加虐心を煽った。


「くくく、君は本当に可愛い子だね?雅紀が大事にしていたわけだ。」



そして‥狂わされてしまったんだな。



情欲を刺激するように鼓膜を震わせてやると、それだけで熱を帯びた吐息を洩らした淫らな身体は、俺のそれを欲しがった。


「抱いて‥?僕を‥抱いて‥?」

赤く濡れた唇から洩れる淫らな誘い。



まだまだ‥足りない‥。

‥こんなものじゃないだろう?


男を惑わすほどの身体とは、どんなふうに乱れていくものなのか‥

じっくりと‥みせてもらうよ‥



縋りつくように首に巻き付いた震える腕をとると、欲を晒すのにはお誂え向きのそこに身体を押し付けてやれば、彼は与えてもらえる快感を期待した眼差しで俺を見上げた。


「君の願いに応えて上げたいところだが、生憎俺にその趣味はなくてね?‥‥ただ、どうしてもと言うのなら、俺をその気にさせてみるがいい。出来るだろう、君なら‥」



雅紀を誘惑した身体がどんなものなのか‥‥

愉しみで仕方ないよ‥



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