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愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】

第13章 雲外蒼天



まさか兄さんがそんなことを考えてくれてたなんて思いもよらなくて、初めて触れた兄さんの思いに胸が熱くなって…

「ありがとう…兄さん」

言葉と共に、涙が溢れた。



そして冷たい獄中にいる澤にも…

そう伝えたかった。



「俺ができることは少ないが、その分翔が補ってくれると助かるよ」

それは暗に智とのことを認めてくれたように感じた。

「おれも…おれなりに精一杯、智の赦しをもらえるよう尽くしていく」

「ああ、頼むよ」

穏やかに微笑んだ兄さんに抱きついてしまいそうになって、慌てて片手を差し出すと、嬉しそうに目を細め、それを握り返してくれたかと思うと

「に、兄さん⁈」

あっという間に抱き寄せられて

「これからも俺を支えてくれよ」

って、背中を叩かれた。



おれが兄さんを支える…


弟として…松本の人間として


一人の男として

誰かを支えていく人間になる



「勿論…、全力で支えます」



そして誰にも負けない…強い男になる
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