第11章 海誓山盟

翔君の熱い塊が、僕の様子を伺いながら挿って来る。

まるで壊れ物を扱うように、そっとゆっくり‥



そんなに優しくしてくれなくたって、僕は平気なのに‥


「んっ‥、はぁ‥っ‥」

「ごめん‥痛かった‥？」


違う、そうじゃないんだ‥


「ううん、平気‥」

僕が笑顔で答えても、心配性の翔君のことだから、きっと安心はしないんだろうな‥

「本当に？もしきつければ‥」

「いや‥、止めないで‥？」

縋るように見上げた僕の頬を、翔君の手がするりと撫でる。

「おれ、加減とか分からないから、もし本当にきつくなったら‥」


もう‥、翔君てば‥

本当は身体に負担をかけないようにする方法だっていくらだってある。

でもそんな行程を抜きにしてでも、翔君を求めた理由‥分かる？

早く翔君と一つになりたかったから‥、もっと身体の奥深い部分で翔君と繋がりたかったからなんだよ？


でもね、そんな君が‥その優しさが僕は好きなんだ‥


僕は煩く喋る口を自分のそれで塞ぐと、全身の力をふっと抜いた。

瞬間、入り口辺りで動きを止めていた翔君の塊が、一気に僕の中へと挿ってきた。

「ひっ‥、あっ‥、んくっ‥」

思わず喉元を仰け反らせた僕を、驚きのあまり唇を外した翔君が抱き締める。

「ああ‥、さと‥しっ‥、おれたち‥とうとう‥」

痛みと圧迫感に歪める僕の頬に、ぽつりと熱い雫が落ちた。

「しょ‥くん‥が、僕の中に‥」

「うん、おれたち一つになれたんだよ？分かるかい？」


分かるよ‥

僕の中に翔君がいること、分かるよ‥


「嬉し‥い‥」


好きな人と一つになることが、こんなにも嬉しくて、幸せなこだなんて‥


僕、漸く分かったよ、「愛する」ことの意味が‥


愛って、与えるだけでも、与えられるだけでも駄目なんたね？

お互いの想いが重なり合って、それで漸く愛が生まれるんだね？

そんなことも知らずに僕は‥なんと愚かだったことか‥


「智‥、愛してる‥」

「僕‥も、愛してる‥」


翔君、君を心から‥