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愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】

第11章 海誓山盟


月明かりの差し込む部屋で、夜の静寂(しじま)に紛れるように奏でられる水音と、絶え間なく吐き出される吐息のぶつかり合う音に、僕の淫らな欲情は更に高まっていく。

「ああ‥っ、しょぉ‥くん‥、僕、もう‥」

出口を求めて彷徨う吐精感が全身を駆け巡る。

「いいよ、智‥。おれの手の中に‥」

「で、でも‥っ‥」

翔君の手を汚したくなくて、咄嗟に身を引こうとした僕を、逃がすまいとする翔君の腕が抱き留め、

「あっ‥、駄目っ‥、あ、あ、あっ‥」

性急な手の動きに促されるまま、僕は翔君の手の中に熱を吐き出した。

「ごめ‥、しょ‥くん‥」


君の綺麗な手を汚してしまって‥


「どうして謝るの?おれ嬉しいんだよ?」

「嬉し‥い‥?」

「だって、好きな人の物だったら、なんでも愛おしくなるのは普通でしょ?」

「愛おしい‥物‥なの‥?」

「うん、とってもね?」


翔君が手の平に吐き出された僕の慾の証をまじまじと見つめる。

「ふふ、翔君て面白いんだね?」

今までそんな風に言ってくれた人、ただの一人もいなかったのに‥

あの心優しい雅紀さんでさえ‥


「次は翔君の番…だね?‥きて?」

僕は寝台に身を横たえると、両足を大きく開いて、僕の吐き出した物で濡れた手を後孔に導いた。

「ここに‥ね、翔君をちょうだい?」

「さと‥し‥?」

翔君の瞳が驚きなのか、戸惑いなのか‥激しく揺れ動く。

だから僕は微笑(わらう)んだ。


大丈夫だから、

「そうしたらね、僕達一つになれるから‥」って‥

「うん、一つになろうね?」

翔君の身体がゆっくりと僕に覆い被さってくる。

そして互いの唇が重なった瞬間、後孔に感じた熱い感触‥


ああ‥、これで漸く僕達は‥


心臓が張り裂けそうな程激しく脈打つのを感じながら、僕は翔君に受け入れ易いように少し腰を浮かせると、その逞しい肩に両腕を巻き付けた。
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