愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】
第11章 海誓山盟
智side
こんなの初めてかもしれない‥
翔君の指が、唇が触れた場所が、どこもかしこも熱くて、そこから甘い痺れが全身に広がって来る。
今まで何度となく男達に抱かれて来たのに、こんなの初めてで‥
本当は僕が翔君を誘導して上げたいのに、それすらもどうしていいのか分からなくて‥
でももっと翔君の手で気持ち良くなりたくて、翔君の手を取って熱くなった中心へと導いた。
「しょぉくん‥、こっちも気持ち良くして‥?」
布越しなんかじゃ物足りなくて、翔君の熱い手で直に触れて欲しくて強請った。
けれどそれは遊女が男を誘うための手練れた仕草ではなくて‥
不器用な手つきで腰紐を解かれた瞬間、これから与えられるであろう快楽を期待して、僕の身体が震えた。
お願い‥
翔君の喉元がごくりと音を立て、僕の濡れた中心をその熱い手で包み込む。
ああ‥、それだけで果ててしまいそう‥
僕の中心を包み込んだ手が、やっぱり不器用な手つきで動き出すと、それに呼応するかのように僕の口から甘い吐息が零れた。
好きな人に触れられることが、こんなにも気持ち良いなんて‥
今までずっと快楽だと思っていた物は一体何だったのか‥
それが偽りだとも知らずに、ただ与えられる快楽に身を委ねていた自分が恥ずかしくなる。
なのに翔君の手は僕を更に高みへと導くために動き続け、やがて翔君は自身を包む腰紐を解き、僕と同じように熱く滾った中心を外気に曝した。
「翔、くんのも‥同じになってる‥」
それだけで嬉しくなる。
でもね、翔君‥?
僕はゆっくり身体を起こすと、
「僕にも‥させて‥‥」
翔君の今にも爆ぜてしまいそうに張り詰めた中心に指を絡めた。
翔君にも気持ちよくなって欲しい‥
翔君が僕にしてくれるみたいに、翔君にも‥