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愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】

第11章 海誓山盟


翔side


おれはどうしていいのか‥わからなかった。


仄白い月明かりの下に曝された裸体に目を奪われ‥

その肌に残る情交の痕跡に心を奪われて、湧き上がってきた情慾と独占慾に思考が麻痺してしまった。


透き通るような肌と、誘うように差し伸べられた指先の美しさに絡めとられて、身体が甘い疼きを欲しがった。


哀しい男の性‥‥



艶めいた唇がおれのと重なったかと思うと、ぬるりと舌先で舐められて驚いた弾みで開いたなかへとそれが差し込まれる。

もう‥なにがなんだかわからないうちに本能だけが暴走しはじめて‥。

おれは妖しいものにでも取り憑かれたかのように寝台へと誘われると、大好きな智の手によって身体を暴かれていった。


今まで壁越しに聞こえていた智の艶めかしい喘ぎが幻聴のように頭の中に蘇って、何も考えられなくなっていく。


「直に触ってもいい?」

擽ぐるような声で囁かれて、それがどういうことかも分からずに頷くと、智は男の本能だけで形を成してしまったおれのを躊躇いなく口に含んでしまって

「さ、智っ‥、そんなこと‥、駄目だってば‥!」

あまりのことに我に返ったおれは慌てて起き上がると、ぐっと細い肩を押した。


「‥どうして‥?翔君は僕のこと好きなんでしょ‥?穢れてなんかないって‥抱いてくれるって‥‥言ったよね‥」

驚きに目を見開いていた智は、戸惑い‥悲しそうな声でそう言った。


「確かに‥そう言ったよ‥、智のこと好きだから抱きたいって‥。」

「じゃあ‥なんで拒むの‥?」


なんで‥って‥‥

そんなこと‥‥


「ね‥‥智はおれのこと、どう思ってるの?好き‥なの‥?」

本当は聞くのが怖かった。


嫌いだって‥憎いんだって‥

そう言われるかもしれないって、心の何処かで思ってたから。


だけど、おれは智のことが好きだから‥

本当のことが知りたかった。



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