愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】
第11章 海誓山盟
潤side
慾に蠢く身体を揺さぶってやれば、智は狂い咲く花のように淫らな声を撒き散らかしている。
智が俺を拒んだのはあの日一度きりで、床を出て澤に連れられて風呂に行くと、戻ってくるなり自分を抱いてくれと身体を擦り寄せてきた。
どこまでも正体の掴めない‥
淫魔のような智の考えてることが掴めないまま、慾に任せてその身体を弄んでいた。
「この身体を俺に寄こせ‥」
俺が飽き足りるまで‥
長椅子の背に手を付いて仰け反った智の腕を取ると、それを強く引いて鋭く突き上げる。
「はぁんっ‥、いいっ、じゅ‥さまぁっ」
甲高い声を上げた身体を片腕で抱き、
「いいことを教えてやろう‥智」
俺は絡みつく中に滾りを捩じ込んだまま耳元で囁く。
「ふぅっ‥んっ、はぁっ‥ああ‥」
奥を抉ぐられて返事もままならない智は、喘ぎだけを洩らし続けて。
「父上のところにもお前の喘ぎ声が届いてるだろう‥。あの男は俺が飼っている者に興味は無さそうだったが‥こんな声を聞かされたら‥な?」
淫楽に染まる身体を一気に地獄へと叩き落とすように、その耳に囁き続ける。
堪らない加虐の歓びを覚える一瞬だ‥
すると智はぎゅっと身体を強張らせ
「いゃぁっ‥‥」
短く叫んで頭を振った。
面白い‥、まだまだこれからだ。
「今更だろう?お前は淫欲さえ煽られたら誰にでも抱かれるような身体なんだ。」
「ちがうっ‥、ちが、う‥っ‥」
「試してみるか‥?あの男は俺なんかより何倍も酷い男だからな‥。」
被虐を煽り‥快楽を与え‥‥
「じゅん、さまっ‥ああっ、やめてっ‥」
強張りできつくなった奥を再び突き上げはじめると、抵抗の言葉はまた喘ぎに変わっていく。
「いっそのこと‥あの男の玩具になってみるのも面白いかもしれん。」
そして取り上げてみるか‥。
くくくっ‥
一体どんな顔をするのか、嘲笑ってやるのも面白い‥
「お前は俺のものなんだ。俺を愛しているんだろう‥?」
「いゃぁっ‥、はぁっん、どうか‥っ‥」
俺は息も継げないほど啼いている智を嬲り‥自分に縋るしかないんだと、その身体に教えてやった。