愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】
第11章 海誓山盟
僕は潤の腕の中でくるりと背を向けると、弱々しく肩を震わせた。
そして肩越しに潤の顔を振り返ると、瞼をそっと閉じ、涙を一粒落とした。
「そんなことを言って、本当は僕のことなんて、簡単に捨ててしまわれるおつもりなんでしょ?そしたら僕‥」
この男が僕を捨てる気なんてないのは分かってる。
だって潤は僕のこの身体の虜になっているのは間違いないんだから‥
でも僕はそれだけじゃ足りないんだ。
もっと‥そう、心ごと僕に溺れるまでは‥
「ほう‥、俺が信じられないか‥。ならばこれでどうだ‥」
背中から回った手が僕の顎を鷲掴み、強引に上向かせると、まるて獣の如く噛み付くような口付けながら、僕の身体を長椅子の上に俯せに押し倒した。
「ん‥んくっ‥、ふぁ‥っ‥」
攻め入って来る舌先から逃れながら、短い呼吸を繰り返す。
そうだ‥、それでいい‥
もっと僕を求めろ‥
心の底から僕を欲すればいい‥
「あぁっ‥、潤さ‥まっ‥」
うっとりと熱を帯びた視線を向けると、潤の瞳の奥で小さな慾の焔が揺らぐのが見えた。
「僕のもの‥、誰にも渡さない‥。僕だけの‥、ね、そうでしょ‥?」
「さあ、それはどうかな‥。後はお前次第だ、とでも言っておこうか‥」
着物の裾が捲り上げられ、双丘の中心が指で撫でられる。
「ああっ‥そんなっ‥」
僕は焦れた振りで腰を揺らし、後ろ手に伸ばした手で双丘を割開いた。
「ふっ‥、やはりお前は淫売だな‥」
好きなように言えばいいさ。
どうせ僕は男に媚を売ることしか脳のない、売女と同じだから‥
今更どれだけ侮辱されようと、僕は傷付いたりしない。
「ひっ‥、ああぁっ‥」
すりすりと撫でていた指が蕾の壁を押し開き、その奥へと突き入れられ、引き攣れたような痛みに、僕は喉元を仰け反らせた。
「くくっ‥、他愛もない‥。さあ次はどうしてくれようか‥」
「じゅ‥さまのお心のまま‥に‥」
僕は潤の指の動きに合わせて、自ら腰を揺らした。