愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】
第9章 愛及屋烏
最初は違和感と圧迫感だけだった。
でも何度も繰り返し中を擦られ続けると、それは次第に姿を変え始めた。
気持ちいい‥
初めて感じる甘い痺れに、自然と身体が震えた。
「はっ‥あぁっ‥、気持ち‥いい‥」
思いがけず口から洩れた言葉に、急に羞恥心が込み上げて来て、それまで布団の端を掴んでいた手で咄嗟に口を塞いだ。
でも、
「恥ずかしがることではないよ。もっと感じるままに声を出してごらん」
口を塞いだ手を剥がされ、指の先がぺろりと舐められる。
「ひゃっ…」
ほんの小さな刺激にすら、自分の身体が敏感になっているのが分かる。
その証拠に、俺‥
「どうやら、ここは和也の口とは違って素直なようだね」
ゆらゆらと天を仰いで揺れる茎を握り込まれると、今にも達しそうな程強い吐精感が湧き上がって来る。
「やっ‥、触らない‥でぇっ‥」
俺は首を振って抗議するけど、そんなの雅紀さんに通用する筈もなく‥
「あっ‥、あん‥、あん‥っ‥」
一段と速さを増した動きに身体を揺さぶられながら、俺は息つく間もない程に喘いだ。
自分の口から吐き出される声が恥ずかしくて堪らないのに‥
そして茎の先端があの場所に触れた瞬間、身体が飛び上がる勢いで跳ね上がった。
「駄目‥っ‥、そこ‥、擦らない‥でぇ‥っ‥」
それまでとは比べ物にならないくらいの痺れが全身に行き渡り、とくとくと脈打ち流れる血液が中心に向かって一斉に駆け始めた。
「いいんだよ、和也‥」
揺れ始めた腰の動きに合わせるように、雅紀さんの俺を擦る手の動きも速さを増して行く。
「いやっ‥、一緒じゃなきゃ‥いやっ‥」
「和也‥」
「雅紀さ‥んと一緒じゃ‥なきゃ‥、俺‥」
愛し愛される悦びを雅紀さんと共に‥
「そうだね、私も和也と一緒がいい‥」
そう言って雅紀さんが俺の目の端に溜まった水滴を、唇で吸い取った。