愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】
第9章 愛及屋烏
「ずっと和也とこうしていたいのは山々だが‥。そろそろ私の方が限界でね‥」
唇を離した雅紀さんが、苦笑いを浮かべて俺を見下ろす。
俺はその意味が分からず、突然温もりが離れてしまった唇にほんの少しの寒さを感じながら小首を傾げた。
「まったく君と言う子は‥。一体どこまで私を煽れば気が済むのか‥」
雅紀さんの首に回した腕がゆっくり解かれ、片手が掴まれると、導かれるまま指先が結合部分に触れた。
「あっ‥」
一瞬で顔が火が付いたように熱くなる。
「分かるかい?和也のことが愛しすぎて、私の心と同じように、はち切れそうなのだよ」
「雅‥紀さん‥」
俺はそっと手を抜き取ると、両手で雅紀さんの頬を包み込んだ。
「来て‥下さい‥」
例えこの身がちりじりに壊れてしまっても構わない‥
それでも雅紀さんともっと深く繋がりたい‥
愛されたい‥
「いい‥のかい?」
「ふふ、だってもう限界なのでしょ?」
「まあ‥そうだが‥」
「俺も‥雅紀さんと同じです‥。も‥、待ちきれない‥」
頬を包んだ俺の手に、雅紀さんの手が重なる。
やっぱり雅紀さんの手は暖かいや‥
「なんと可愛いことを‥。良いだろう‥、その代わり‥」
汗で額に張り付いた髪を掻き上げる仕草に、心臓が大きく跳ね上がる。
「どんなに泣いても、もう止められないかなね?いいね?」
「‥はい‥」
小さく頷くと、俺の額に一つ口付けを落として、雅紀さんの腰がゆっくりと律動を始めた。
「あっ‥ん‥はっ‥ぁっ‥」
張り詰めた雅紀さんの茎が、俺の中を行き来するのが分かる。
俺は揺れる視界の中で、視線を逸らすことなく雅紀さんを見つめた。
玉のような汗を流し、俺を穿つ愛しい人の顔を、ずっと‥