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愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】

第2章 暗送秋波


雅紀side


私は崩れ落ちた華奢な身体を、激情に衝き動かされるままに責め立てた。


「泣くがいい・・もっと泣き叫べばいい・・・・」

怒り‥哀しみ‥そしてそれでも変わらない愛情を打ちつける私に、泣き叫びながらも熱を溜めて喘いでしまう姿に、ひどく満足する。


どんなに足掻いても、私を受け入れる歓びを知っている身体は‥哀しくなるほど素直だった。

最奥を抉るように滾る私を突き挿してやると、苦しそうだった喘ぎも甘さを含みだして、淫らに腰を揺らしはじめる。



もっと私を求めるがいい‥‥

たとえひと時の淫楽を求めただけだったとしても‥



荒狂っている快楽の波に煽られて彷徨った手を取ると、そこへ導いたのは私なんだという満足感にも似た感情が湧いてきて‥


「‥もっと私に縋るがいい・・」

私は熱く蕩けだした内壁を掻きまわすように熱い杭をねじ込み、息も継げなくなるほどに鋭く突き上げる。


そして己の満足だけを得るために‥欲に濡れたそのなかに滾る熱を注ぎこんで‥



短い悲鳴を上げて白い熱を飛ばした智は、まるで糸の切れた操り人形のように身体を弛緩させた。

胸もとを裂き乱暴に剥ぎとった寝巻きは片袖だけが残り、濃紺の男締はだらし無く身体に巻き付いたままで、その様はまるで凌辱の惨状に等しく‥



私は‥一体‥‥‥


ああ‥なんていうことをしてしまったんだろう!


‥‥なんということを‥



「‥さと‥し‥‥智‥‥」

力無く横たわる身体を抱きしめて‥

「すまない‥‥すまなかった‥許しておくれ‥‥」

止め処なく流れる涙が、浅く息をする胸に落ちては流れた。



その涙でさえ智を穢してしまっているような錯覚に囚われてしまい、急いで桶に湯を取ると浸した手拭いで、凌辱の跡を拭いとる。


拭っても‥拭いきれない‥‥

智の心につけてしまった傷。

私の心に残る懺悔と後悔。



その時、冷たく震える指先が私の涙に触れてくれて。

身体の痛みを堪えながら、詫びる私を許すとまで‥‥


ああ‥なんと優しい子なのだ。


君が望むことなら、どんなことでもしよう。

君への贖罪のためなら‥どんなものでも手に入れてみせよう。



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