愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】
第2章 暗送秋波
智side
無理矢理開かれた身体に感じるのは、身を裂くような痛みだけで・・
「も・・許して・・お願・・い・・・・」
懇願する声は酷く掠れ、救いを求める手は宙を彷徨った。
ああ・・、これは僕の罪の代償なのだろうか・・・・
雅紀さん・・貴方を愛せない僕の・・・・
「許さない。君が私だけを見てくれるまで・・・・許しはしない」
力を失くした両足が持ち上げられ、雅紀さんの両肩にかけられる。
「あぁぁっ・・、いやぁっ・・・・!」
身体が折り曲げられ、深くなった繋がりに、僕の口から堪えきれずに悲鳴が零れる。
溢れた大粒の涙は頬を伝い、当てなく彷徨った手は畳に爪を立てた。
「泣くがいい・・もっと泣き叫べばいい・・・・」
乱暴に突き上げられる度に視界が揺れ、手放しそうになる意識が引き戻され、
僕の意思に逆らうかの如く、下腹部に溜まっていく欲の塊。
感じたくない・・感じたくなんかないのに・・・・
どうして僕は・・
「あっ・・、んあっ・・、は・・ぁ・・っ・・・・」
唇をきつく噛みしめても、上擦る声を抑えることが出来なくて、喘ぐ息が熱を帯びて行く。
「君と言う子は・・、乱暴にされているというのに、ここをこんなに腫らして・・・・」
不意にゆるゆると頭を擡げ始めた茎を握り込まれ、不覚にも僕の腰が揺れる。
「ああっ・・、触らないでぇ・・・・」
堪えきれなくなってしまう・・
「ほう・・、ここはそうは言っていないようだが?こんなに蜜を垂らして・・・・」
茎を握り込んだ手がゆっくりと動き始め、先端を爪の先で掻かれれば、自ずと腰が浮き上がり、その先にある淫楽を求めて揺れる。
「あっ・・ああっ・・、いや・・・・いやぁ・・っ・・・・」
捩じ込まれた杭が、僕の敏感な部分に触れる度、全身が粟立つ。
何かに縋りたくて・・
無意識に伸ばした手が、大きな手に絡め取られる。
「そうだ・・それでいい・・。もっと私に縋るがいい・・」
黒檀の髪の先から大粒の汗を滴らせながら、雅紀さんが更に僕を責め立てた。
「ひっ・・、あっ、あ、あ、あ、あぁぁっ・・」
身体の奥深くに熱を感じた瞬間、僕はやっとの思いで繋ぎ止めていた意識を、とうとう手放した。