愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】
第6章 籠鳥恋雲
後ろに倒れそうになった身体を、両手を床に着いて支える。
その間も下からの突き上げが止むことはなく‥‥
内蔵まで抉るかのように深く打ち込まれた塊が、肉壁を擦るように上下する。
「あん‥、あっ‥、はっ‥‥、あん‥‥」
「どうだ、気持ちいいか?ん?」
不意に伸びてきた手が、汗で張り付いた前髪を鷲掴みにする。
「は‥い‥、気持ち‥いぃ‥です‥‥」
僕は自ら腰を揺らし、淫らに腰をくねらせた。
そして潤の先端がその場所を突いた瞬間、僕は自分の体重すら支えられない程大きく身体を震わせた。
「んぁっ‥、そこ‥、突いて‥、もっと‥‥、あぁぁぁっ‥‥!」
僕は乱暴に頭を振ると、先端がその箇所に当たるように腰をずらしながら上下に揺らした。
その時、
「くっ‥、なんだ‥これは‥っ‥‥」
それまで呻き声一つ上げることのなかった潤が、眉間に深い皺を刻み、きゅっと唇を噛みしめた。
もしかして‥、感じてる‥‥?
その証拠に、僕の中で塊がその質量を増し、ぶるぶると震え出す。
「一緒に‥、ん、はっ‥‥、どうか‥、一緒に‥‥」
身体を支えていた片腕を潤の首に巻き付け、潤の絶頂を誘うように肩口に顔を埋める。
勝った‥。
僕はとうとうこの男を‥‥
そう思ったのは一瞬のことだった‥
首に巻き付けた腕はいとも簡単に解かれ、身体がふわりと浮き上がったかと思うと、僕の中の塊がずるりと抜け出していった。
「あっ‥どう‥して‥‥」
行き場を失くした熱を下腹部に抱えたままの身体が、乱暴に床に投げ出される。
「どうして、だと?そうだな‥、俺をここまでその気にさせたのは褒めてやろう。だが、まだだ。まだお前は俺を満足させてはいない」
そん‥な‥‥
呆然とする僕を尻目に、潤が床に散らばった服を拾い上げ、順に身に着けていく。
そしてこの部屋に入って来た時と同じように乱れた髪を撫で付けると、未だ熱のやり場を求めて揺れる僕の茎を見下ろし、
「後は自分で始末しろ。俺は先に休ませて貰うよ」
そう言って部屋を出て行った。
「なんて‥なんて酷い奴‥、僕をこんなにして‥‥」
きつく嚙みしめた唇から落ちた雫が一つ、また一つと床に赤い染みを作って行った。