愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】
第6章 籠鳥恋雲
両膝が胸に着く程に身体を折られ、後孔に宛がわれた塊が何の躊躇もなく僕の中に侵入してくる。
「うっ‥、うぅぅっ‥‥っ‥」
途轍もない圧迫感に息が詰まり、苦し紛れに伸ばした手は、何かに縋りたい一心で藻掻く。
なのに‥
その手は、僕の中に埋めた塊を更に奥へと捻じ込もうと、覆い被さってきた潤の手によって簡単に絡め取られ、床に落ちていた腰紐で、膝ごと一括りにされてしまう。
「い‥や‥‥、こんなの‥いやぁ‥っ‥」
痛みでもない、ましてや身体を支配する圧迫感でもない‥、ただ屈辱から溢れた涙が頬を伝う。
「ふっ‥、どうした‥、これをお前は望んでいたのだろ?何故泣く‥」
違う違う違う!
僕はこんなことを望んではいない!
隙間なく僕の中を埋め尽くす塊が、ぐるりとその向きを変えながら、深い部分を突き上げる。
「ひっ‥、あぁぁぁっ‥‥っ‥!」
悲鳴にも似た声を上げる僕を、潤のまるで汚いような物でも見るような、冷ややかな目が見下ろす。
そんな目で僕を見るな‥!
心の中で叫ぶのに、じわじわと身体の中に浸みてくるあの液体が、僕の理性を粉々に砕いて行く。
そして最後に残った小さな理性の欠片が弾け飛んだ瞬間、
「あっ‥、あ‥あぁっ‥‥」
それまで身体の奥底で燻っていた熱を吐き出すように、僕の口から熱を帯びた声が零れた。
「ほう‥、中々良い声だ。では‥、こうしたらどうかな?」
僕の腰を掴んでいた手を解き、揺れながらたらたらと雫を零す僕の茎を握り込む。
「あぁぁっ‥、触らない‥でぇっ‥」
下腹部に溜まった熱が、その出口を求めて駆け始める。
「出したいか‥?」
聞かれて、僕はこくこくと首を振る。
僕の願いなど叶う筈がないことを知りながら‥
「聞けぬ願いだな」
「おね‥がい‥、も‥ぉ‥‥」
「ならば俺を満足させることだな」
僕の両手と片膝を括った腰紐が解かれ、繋がったままの身体が引き起こされる。
「自分で動いてみろ」
胡坐座になった潤の膝に乗せられ、下から乱暴に突き上げられる。
「あんっ‥、あぁっ‥‥」
より深くなった繋がりに、背中が大きく仰け反った。