愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】
第6章 籠鳥恋雲
その小さな唇を噛み、目を逸らそうとはしない大野智。
俺は手にしていた透明な瓶の蓋を親指で弾き、褐色の中身を呷りその者の顎を取ると、噛みしめていた唇に自分のそれを押し当てた。
「んっ‥っ‥‥」
驚きに見開かれた目に映るのは、獣物と化した己の姿。
やがて耐えられなくなって開いた唇の間から、灼けるような液体を流し込む。
「‥っ‥げほっ‥げほっ‥っ」
唇を離した途端、身体を波打たせて噎せるのを押さえつけ、再び同じもので悲鳴を上げそうな唇を塞いだ。
床を這い、苦しそうに胸を押さえて咳込んでいる後ろ髪を掴み
「じきにお前の身体は燃えるように熱くなるだろう。そうすれば嫌でも正直になれるさ。その心もな。偽りの言葉は‥もう聞き飽きた。」
涙ぐむ目にそう宣告すると、自分の身体にも瓶に残った液体を流し込んだ。
「こ、これは‥っ‥なんです‥っ⁈」
片方の手で胸を押さえながら腕に縋りつく美獣を冷たく見下ろす。
「さあな。聞かずとも、その内身体が教えてくれる。偽りばかりを囁く唇も素直になるといいがな。」
俺は縋りつく幼い手を払い立ち上がると、乱れた上着の釦を外していく。
「‥まさか‥っ‥あの、飲み物をっ‥」
すでに息を乱し始め、途切れがちに問う姿に、自分の身体も燃えるように熱くなった。
板敷から起き上がれずにいる身体には、乱れた寝間着が絡みついているだけで、ほとんどその体(てい)を成していない。
自分がどんな姿を晒しているのか‥
鎖を鳴らしながら身悶えはじめた幼い肌は上気し、下腹部の繁みの中では形を変えていった物がふるふると震えだしていた。
「はぁっ‥くるしっ‥っ‥潤、様っ‥」
大野智は俺に視姦され熱い息を吐きながら、どうしようも無く乱されていく身体を捩る。
そして俺も‥同じように熱くなりはじめた物が窮屈な服の下で、身悶える獲物を突き挿したいと呻きを洩らしていた。
俺は初めて‥この男の身体に自分の物を突き立てたいという衝動を覚えた。
「くくっ‥どうだ?そろそろその身体も限界だろう。」
その唇も‥
満ち足りない月も、時が経てば満ちるもの。
お前も‥淫欲に満ちたその身体を満たしてやれば、その心も満ちる時が来る‥‥