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隣の君

第12章 伝える勇気


はるside

私は夢を見ていたのかな…?


はっきりと聞こえていたはずの歌声は

いつのまにか消えていて



今はもう


何も見えないし…

何も聞こえない…



どうせ夢なら

もっと聞いていたかったのに



そんなことを考えていると



何か温かいものが

頬に触れる感触がして



ゆっくりと目を開くと

見慣れた真っ白な天井が

目に映る…



"はる…?"


そんな聞こえるはずもない声に

ゆっくりと声のした方へ顔を向けると



いるはずもないお隣さん目が

心配そうに私を見つめていて



その目を見た瞬間

無意識に涙が溢れだしてくる…



「大丈夫か……?」



そう言って

私の涙を拭う手は

前と変わらず優しくて…



その手に触れられると

無防備に甘えてしまいたくなる



けど…



「触らないで…」




その手を私は

顔をそらして振り払う…



本当に夢なら良かったのに…



どうして現実はこんなにも




酷くて…

痛々しいんだろうなぁ…?
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