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隣の君

第12章 伝える勇気


今俺の目の前にいるこいつは



どうしてこんなに

青白い顔をして

目を閉じてるんやろう…?





ベランダに倒れてるこいつを見つけて


頭が真っ白になって

ベランダを乗り越え

家の中に運んだはええけど



気を失ったままのこいつを

放っておけるはずもなくて



ベッドに横になるこいつを

ただぼんやりと見つめていると



ついそんなことを

考えてしまう…



俺と離れて…

あいつが側におって…


幸せなんちゃうの…?



それやのに何で

お前は今



そんなに辛そうやねん…?



手を伸ばし

眠ってるはるのほっぺたに触れると

ひんやり冷たくて…



「ん…」



とはるの唇から小さな吐息が漏れて

ゆっくりと目が開く…





「はる…?」



そう名前を呼ぶと

ぼんやりと不思議そうに

天井を見つめてた目が

こっちを向いて



俺を見た瞬間…




はるの目からぽろぽろと

涙がこぼれ落ちた…
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