第11章 伝わらない気持ち…
「ふぅ…ひっ…く…」
咄嗟に後ろを向き
お隣さんにバレないように
喉から溢れる嗚咽を必死にこらえて
ごしごしと溢れてくる涙を拭っていると
「おい…?」
そんな声と一緒に
お隣さんの手が肩に触れて
体がびくりと跳ね上がる…
「いや…あの…すいません…
ちょっとご飯が喉に詰まっちゃって(笑)」
なんてあわてて振り返ると…
そんな私のほっぺたに
お隣さんの手が触れて
「泣くほどしんどいならもうええて…
我慢せんとあいつを選んだらええやん…(笑)」
そう言って小さく笑うと
ゆっくりと私に背中を向ける…
「ち…がう…
そうじゃないんです…!!」
そう叫んで伸ばしかけた手は
「もういい加減…
俺もしんどいわ…(笑)」
そう背中越しに言われた言葉に
ぴたりと動きを止める…
バタンと音を立て
閉まる玄関の扉に
足から力が抜けて
へなへなと床に座り込んだ…